東京都の現役学生でありながら、任意団体『いっすんテラス』の代表を務め、様々な活動を行っている西村拓真さんにお話を伺いました。
この記事は、学校外から日本の教育界を盛り上げるための活動の様子や、教員の兼業について関心のある方向けに執筆しました。実際の活動内容やの今後のビジョンについて、インタビューをもとにお届けします。
💡この記事で分かること💡
- 『いっすんテラス』とはどのような団体なの?
- 先生方にどのようなメリットがあるの?
- 教員の兼業にどうつながるの?
なお、本文ではインタビューにお答えいただいた西村拓真さんの発言を「西」、私みっきーの発言を「み」と表記させていただきます。
『いっすんテラス』代表の西村拓真さん
今日は任意団体『いっすんテラス』代表の西村拓真さんにお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
み:西村さんは学生でありながら『いっすんテラス』という任意団体に所属しているということで、実際に西村さんのプロフィールや略歴など、どういう方なのかを簡単に教えていただきたいです。
西:私は「その人がその人の人生を歩み、幸せを感じられる社会」というライフビジョンを掲げて活動させていただいております。具体的には一番最初の自分の体験にもつながってくるんですけど、集団塾のアルバイトというのが一つ教育に関わる大きなきっかけになりました。そこから、N中等部のインターン、Teach For Japan のキャンパスアンバサダーと呼ばれるインターンを経て、TCS(トラストコーチングスクール)の認定コーチというコーチングの資格を取得し、その後に文科省のアントレプレナーシップを修了したり、N高のTA(ティーチングアシスタント)をしたり、といったところです。
『いっすんテラス』とは
いま所属されている『いっすんテラス』の活動内容について、教えてください。
主に3つの視点を意識して活動しています。
西:『いっすんテラス』は「教育に関わるすべての人が、活き活きとする社会」というビジョンを掲げて、そういった社会に近づけるにはどうしたらいいだろうという風に、日々試行錯誤を重ねながら、活動させていただいております。
西:具体的には、全員が生き生きする社会っていうのは3つの要素があるんじゃないかと考えています。一つ目が「教員の質の向上」、二つ目が「教員の在り方の多様化」、三つ目が「教育関係者全員が元気になる、直接的な働きかけ」の3つが必要だと考えており、この3つを達成するための活動として落とし込んでやっています。
3要素の活動内容
今後こういった活動を展開していく予定です。
西:「教員の質の向上」の点では、「最高の先生を目指そうプロジェクト」を行います。コーチング、脳科学、学習科学などを駆使し、自分にとって「最高の先生とは何なのか」を見つけるプログラムです。厳選されたコーチによるメンター制度、原体験や在りたい姿の明確化、教育に精通したゲストスピーカーによる講義を用意しております。詳しくは、「いっすんテラス」ホームページやTwitterをご覧いただけると幸いです。
西:「教員の在り方の多様化」に関しては、教員に向けたプログラムを通して、もっといろんな教育環境であったり、いろんな人と出会ってほしい、という想いから『スピマッチ』というものを行わせていただいています。オンラインで教員とそれ以外の方々が関われる場を提供しようという試みです。
西:「教育関係者全員が元気になる、直接的な働きかけ」では、実際に公立中学校と連携させていただき、そこで放課後に学習支援であったり、キャリア教育をさせていただいています。
『スピマッチ』とは
お話の中に出てきた『スピマッチ』という活動についてお聞かせください。
教育関係者と学生をつなぐオンラインイベントです。
西:『スピマッチ』の想いとしてはかなりシンプルで、「5分とかで何人もの人と教育について話せたら、素敵な時間になるんじゃないか」というものです。 というのも、私は現在教育学部に所属しているんですが、そこでの周りの友だちとかを見ていて、様々な人と関わらないで先生になろうとしている人が物凄く多いなという気持ちがありました。 ただ私の体験から、やっぱり人に会えば会うほど、新しい環境に踏み入れば踏み入れるほど、自分の考えが深まって、教育に関する考えって変わっていくと思うんです。だったら、凄いシンプルに、決められた時間で何人もの人と教育について話せたら面白いんじゃないか、とはじめました。 初回から20名を超える教育に興味のある方が参加してくださいました。高校生から、大学の先生まで、まさに多種多様です。 興味がある方はぜひお申し込みしていただければと思います!こちらも詳しくはホームページやTwitterをご覧していただけると幸いです!
み:教育に携わりたいなという学生さんと先生たちとを、短時間ででもたくさんつないでいこう、というのが趣旨ですね。とても面白いと思います。教員はどうしても狭い世界で生きていく職業かな、と思うところもあります。そういったところに、一つ穴をあけてくれるような、すてきな活動ですね。
西:ありがとうございます。みっきー先生のような方と学生をつなげたくて「こんな面白い人もいるんだよ」ということを伝えたい思いでいっぱいです。
『いっすんテラス』を利用する学生・先生方のメリット
利用する先生・学生のメリットを教えてください。
大きく2つのメリットがあると考えています。
西:自分の中で大きいと思うメリットとしては「新しい環境に触れられる」ことと「価値観が変わる」の2つかなと思っています。具体的に言うと、いま自分が教育学科の学生さんとか、教育実習の先生とか、塾のアルバイトとかを通して思う事としては、どの教育に関わっている人でも、けっこうな割合で自分が受けて来た教育をそのまま子どもたちに施そうとする、という方がすごく多いように感じます。しかしこれは、いわゆる40年ギャップと言われるような現状に陥っていて、子どもたちに対しても60年前くらいの教育があったりとか、システムとしては明治のころからとなってしまっています。これからを生きる子どもたちにとって、本当にそれは是なのか、という風な疑問が出てきます。
西:必要なのは自分で考えることもそうなんですけど、それ以上に環境に触れたりとかいろんな人の価値観に触れる事だと思うんです。「あっ、これって当たり前じゃないんだ」とか「このやり方ってすげー面白いな」みたいな気づきにつながっていきます。我々の活動を通して教育に対する価値観というものが変わっていくというプロセスも一つの価値だと考えています。
今後のビジョン、教員の兼業
利用する先生・学生へ、今後どのようにアプローチしていきますか。
先生方への兼業依頼という形も見据えて、動いていこうと思っています。
西:認知を広げることと、参加される学生・先生方を集める事にはまだまだ課題があります。今後は、大学と連携して学生の募集を募る。それと同時に、兼業という形で先生方に依頼をすることも視野に入れています。株式会社として立ち上げた場合は、社会的な権威性も増しますので、先生方への兼業依頼も今より出しやすい環境が創れると考えています。そうすると、多忙な先生方でも参加しようと思う動機になりますし、先生方へ多様な環境をご用意し、結果として日本の教育界全体の質を高めることにもつながるのではないでしょうか。
まとめ
この記事では『いっすんテラス』代表の、西村拓真さんからお話をおうかがいしました。
- 『いっすんテラス』とは、3要素を軸に日本の教育界を盛り上げる活動をしている団体
- 「新しい環境に触れられる」「価値観が変わる」というメリットがある
- 『いっすんテラス』への参加を兼業という形にし、現場の先生方にもアプローチしていきたい
今後はさらに活動の幅を広げ、日本の教育界を活き活きとさせたいということでした。
ご協力いただいた西村拓真さん、ありがとうございました。
西村拓真さんが代表を務める『いっすんテラス』HPは下記リンクからご確認ください。
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