公務員の副業・兼業

公立学校非常勤講師 制度上の問題点

こんにちは。

教員のライフコンサルタントのマサムネです。

自由な働き方が注目されている昨今。

副業が可能な非常勤講師を視野に入れている人もいるでしょう。

今回はそんな非常勤講師としての働き方の注意点と、狙い目の職種について解説します。

実際に正規の教諭を退職して真剣に非常勤講師の道を模索した私の経験を交えてお伝えします。

時給2880円と見せかけて・・・

非常勤講師の時給は高く、2880円です。

とはいえ実はこの金額は1コマの授業に対して支払われるものです。

例えば1時間目と4時間目にしか授業がないということであれば間の3,4時間目には時給が発生しません。

往復で1時間の時間がかかったとしたら、この日の実際の時給は1152円ということになります。

コンビニのバイトと実は変わらないということです。

あいだの2時間を有効活用できればいいのかもしれませんが、地域の目もあり中抜けはしにくいでしょう。

職員室で待機していれば何らかの雑事をする必要も出てくるかもしれません。

反対に非常勤に接する職員も補償されていない時間に気を遣ってしまいそうですね。

この浮いた時間は、誰も幸せ意思ないように思います。

中学校での運用は特に難しい

ある自治体から連絡をいただき、実際に面談に行ってきました。

授業時数がいっぱいいっぱいの先生の負担軽減の目的だったようです。

中学校2年生の理科5クラスあるうちの2クラス×4コマで8時間分の授業を受け持ってほしいというご依頼でした。

で、驚きだったんですが何と8時間分の時給しか発生しないということです

契約上、「評価や準備は授業時間の前後5分で行う」となっており、残業はなしと明記されていました。

「いつ授業準備するんだろう??」と思いながら、それでは授業の質を担保できませんので代替案を考えていきました。

5クラス1コマずつを担当させていただいて、あとは授業準備とかテスト作成にあてる。または理科の先生の業務負担分をもらい受ける。

これであれば別々の人が同じ授業を考えるという無駄を省けますので、合理的だと思いました。

向こうでも5×1は視野に入れておられたようですが、空きコマを作るのは不可能であるとのことでした。

「授業を実際に担当した」という時間にしか給料が発生しないとのこと。

現場判断で流動的に運用することができないようで、お伺いした学校の管理職の先生も困っておられました。

「60分残業なし」と明記されてはいますが、教材研究やもろもろの準備、評価物のチェックなどの時間は一切用意されていません。

知識を一方的に教授する時代にできた制度がそのまま残り続けているのではないかと推測します。

何にしても、制度そのものにエラーがあると言わざるをえません。

教育が市民サービスの一環であると考えたときにも、

5分間準備をして行われた理科の授業で、学力が保証できるとは到底考えられません。

この国はこのままでいいのでしょうか。

非常勤講師になるのなら小学校がオススメ

非常勤講師になるのであれば小学校の方がオススメできるかもしれません。

出産される先生の体育軽減や特別支援の補助など、どちらかというと準備があまり必要でない業務が多いからです。

また、一つの免許状で全ての業務を網羅できます。

中学校の場合は免許状ごとにカバーできる範囲が異なりますので、このあたりでも不利と言えるかもしれません。

私は、非常勤講師+フリーランスの道を考えたときに、現在の状況であれば簡単に講師は見つかるだろうと考えていました。

確かに声がかからないでもないですが、細かくこちらの希望と合致するかというとそれは微妙なところです。

生殺与奪を自治体に握られている感覚になるので、一刻も早く自分の事業だけで食べていけるようになる必要がありそうです。

そういった意味では必死さが出るのでいいのかもしれません。

何にせよ、非常勤+フリーランスを目指すなら、小学校をメインに講師登録し中学校は併願くらいで考えておいた方が良いかもしれません。

ABOUT ME
前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |