正規教員と非常勤教員を徹底比較 結局どっちがおいしいのか

「フルタイムの正規教諭は安定しているように見えて、実は制約が多い。。」

この記事にたどり着いたあなたであればこんなことを思ったことはありませんか?

非常勤講師の方が良い働き方なのでは、、、

正規で働いていた私も

「非常勤の方が兼業もできるし時間単価が高いし残業もないし、、、あれ?非常勤の方が得なんでは、、、?」

と、考えました。

自分の人生を豊かに生きるための非常勤講師という選択について考えてみます。

この記事でわかること

・正規と非常勤のメリットデメリット

・お金で見る正規と非常勤

・副業として教師をするという生き方

目次

正規と非常勤のメリットデメリット

正規教員と非常勤にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。

まずはこれらを整理してみます。

正規教員のメリット

  • 収入が安定していてやや高水準
  • ローンを組む際など経済的信用が高い
  • 社会保険が手厚い
  • 担任や部長職など責任のある仕事ができる
  • 病気などで働けなくなった際も保障されている
  • なんだかんだで社会的信用がある程度高い仕事

なんといっても公務員なので、安定感はあるように見えます。

例えば正規教員の夫婦がいたとしてしっかり蓄財していけば、定年時に退職金とあわせて1億円の資産を保有している状態も実現可能です。

ではどんなデメリットがあるでしょうか。

正規教員のデメリット

  • 責任と業務量が膨大
  • 心身の健康を損なうリスクがある
  • 兼業がしにくい
  • 時間的余裕が少ない
  • 年齢とともにキャリアチェンジが難しくなる
  • 価値観が偏りがち
  • 収入が劇的に伸びることはない
  • 裁量権が低い

僕自身がデメリットを多く感じているせいか、なんだか多いですね(笑)

いくつかの項目について、人によってはデメリットと感じないかもしれません。

僕の周りでも休んでしまう先生は後を絶ちません。

次に非常勤教員のメリットとデメリットを見ていきましょう。

非常勤教員のメリット

  • 週3日程度から働ける
  • 役割がはっきりしている
  • しっかりと条件を確認すれば残業はない
  • 正規よりも時給が高い場合がある
  • 兼業ができる
  • 正規よりやや責任が低い傾向がある

拘束時間が短く、時給換算するとかなり有利な非常勤講師はかけもって仕事をする働き方に向いていると言えます。

「この仕事は誰がするものなのか」と役割がはっきりしていない状況に人間は強いストレスを感じますが、これも非常勤であればかなり軽減されます。

では非常勤のデメリットは何でしょうか。

非常勤のデメリット

  • 学校都合で雇用がなくなったり異動になったりする
  • 総所得で見ると正規教員の半分くらいになってしまう
  • 生徒との関係性を築きにくい
  • 責任ある仕事は任せてもらえない
  • 職場での発言権は低めになりがち
  • 銀行などからの信用度は低い
  • 収入によっては自分で国民健康保険に加入する必要がある

自由で且つそこまで責任の重くない非常勤教員ですが、その引き換えに不安定な雇用の状況と低めの年収というハンデを負うことになります。

・・・・・うーん。子どもがいたり結婚の予定があったりするとき、やっぱり正規教諭は辞められないんでないの?

と、感じてしまいそうですね。

やはり一番気になるのはお金に関すること。

いくら自由を手に入れたとしても生活が成り立たなくなってしまっては子どもを養ったりパートナーと豊かに生活したりといったことができなくなるかもしれません。

具体的なお金事情を深堀してみましょう。

お金で見る正規と非常勤

ここからは具体的なお金のお話をしていきます。

33歳の正規と非常勤のお金事情を比較していきます。

雇用形態年収手取り年収年間勤務時間手取り時給
正規教員600万円462万円1987.5時間2325円
非常勤教員300万円239万円935時間2556円
正規教員と非常勤 お金と時間の早見表

具体的な計算方法は以下の通りです。

正規教員

年収600万円

年間休日数125日+年休20日全消化+特別休暇10日間利用=年間休日155日

年間勤務日数210日(一日の労働時間は7.75時間)

月平均の残業時間は30時間に設定しました。

月当たり平均20日勤務で朝と帰りに15分ずつの残業をし、休憩時間は働いていると仮定しています。

上記で月の残業時間は30時間程度になります。

非常勤教員

年収300万円

年休8日+特別休暇5日付与

週4日×5コマ勤務 有給休暇13日

1コマあたり2880円支給 賞与は夏と冬に少額ずつ支給されるものとしています。

残業時間はなし。

めちゃくちゃホワイトに働く正規でも30代だと非常勤より時給が低い

年収と手取りに違いがあるのは社会保険料や税金がひかれているからですが、日本は所得が高ければ高いほどひかれる額が上昇します。

設定した正規の先生はめちゃくちゃホワイトに働いていますね。

年休は20日間しっかり消化し、夏季特別休暇と慶弔休暇などもしっかり利用しています。

勤務している日は前後15分ずつの残業しかしていません。すごい・・・。

小学校であれば学校によってはぎりぎり実現可能なようにも思いますが、中学校ではまず不可能な勤務の仕方です。

この架空のスーパーホワイト先生の実質時給を計算してみても、非常勤の先生の実質時給には及ばないのです。

スーパーホワイトな働き方を続けていれば、30代中頃くらいで非常勤の先生に実質の時給が上回ることになり、その後も年収は少しずつ上昇していきます。

トータルの生涯年収はもちろん正規教員が圧勝なわけですが、非常勤の先生には伝家の宝刀があります。

そう。兼業です。

副業として教師をするという生き方

ここまでで正規と非常勤のメリットデメリット・お金事情をみてきました。

僕が学校で生きづらいと感じている先生に提案したいのが、

「副業として教師をする」という生き方です。

僕自身、学校の仕事はそれなりにこなせていたと思いますし、生徒の成長の手伝いができることに喜びを覚えていました。

しかし、一方で「日本の教育ってこのままでいいのかな」という気持ちがどんどん強くなっていきました。

多様性を大切にするとは言いながらも、画一的な教育を行う学校の在り方に常に疑問を抱き続けてきました。

何よりも、お手本になるべき自分自身が「内なる多様性」を磨けていないことに危機感を感じました。

そこで考えたのが、「副業として教師をする」という生き方です。

フリーランスとして開業し、ゆくゆくは法人設立し、学校には自由に生きる自分の姿を還元していく。

これが僕が今やろうとしていることです。

今回ご紹介した通り、実は非常勤講師というのはかなり有利です。

うまく条件面を調整すれば社会保険にも加入させてもらえますし、時間当たりの単価は高い水準にあります。

自分が自由に使える時間を多く持つことで、自分のビジネスを育て上げれば正規の教員と違って青天井の収入も目指せます。

自給労働が半分、時給では働かない自分のビジネスが半分、そんなイメージです。

このブログでは引き続き教師のセカンドキャリア、パラレルワークについて有益な情報を発信していきます。

自分らしく生きたうえで人の成長の手助けを行う。そんな新しい教育を始めてみましょう!

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この記事を書いた人

教員の複業について日本で一番詳しい者です。
学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。
教育系複業家。
現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/
過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |

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