公務員の副業・兼業

【公務員の副業】海外の公務員は副業OKなのか?!|カナダの公立高校教員梅木さんに聞く働き方と副業のリアル

公務員

兼業して見聞を広げたいな。そういえば海外の公務員て副業アリなのかな?

という疑問を持ったアナタのためにカナダで公立高校の教員をされている梅木卓也さんにインタビューさせていただきました!

💡この記事でわかること💡

  • カナダの教員の働き方
  • カナダの公務員の副業事情
  • カナダの教員の生活様式

このあたりを中心にお話を聞かせていただきました。

この記事を書いている僕(マサムネ)は

  • 元公務員(中学教員)
  • 現役の小学校非常勤講師
  • 教員・公務員をアップデートしたい人
  • 教員・公務員向けメディア運営
マサムネ

兼業解禁させて公務員に戻りたいで!

この記事を最後まで読むと、カナダの公務員の副業事情が分かります。

日本の公務員だけど兼業したい!というモチベーションを高め、次の一歩を踏み出したくなるはずです^^

インタビュー内容をフルで視聴したい方はコチラをどうぞ↓↓

教員・公務員向けの情報をどんどん発信していくのでチャンネル登録してお待ちいただけると幸いです^^

カナダで高校教員をされている梅木さんの略歴

まずはじめに、梅木さんにカナダの教員としての働き方をお聞きしました。

本文中ではマサムネ⇒「マ」、梅木さん⇒「梅」と表記します。

マサムネ

梅木さんよろしくお願いします!

梅木さん

よろしくお願いします!

 まず初めに簡単にご経歴をお伺いしていいですか?

 梅木卓也と申します。2007年からカナダのバンクーバーに住んでいます。ワーキングホリデーがきっかけで色んな教育関係の仕事にこちらで就くようになりました。

 学童保育や教員補助などの仕事を経て今はカナダの高校で数学を教えています。

マ 2007年に渡ったときはけっこうお若かったのですか?

 カナダに渡ったのは21歳の時でしたね。高校を卒業して大学に行く理由もなかったのでバイトとかをしながら英会話を始めました。その中で「日本でずっと英会話をしていても伸びないな」と思ったので、そのときにあったオプションとしてワーキングホリデーという制度を使ってカナダに行こうかな、ということになりました。

カナダの公務員に副業の制限はないのか

梅木さんが働くブリティッシュコロンビア州で高校教員は日本でいう公務員にあたるそうです。

マサムネ

カナダの公務員や学校の先生の副業に何らかの制限はないのですか?

梅木さん

全くないって言ってもいいくらいです。

 唯一制限があるとするなら「自分の教えている生徒に対して家庭教師のようなことをしてはいけない」というのはあります。また同じ学区内の公立校の生徒に対しても家庭教師をしない方が良いのですが、それ以外の副業に関してはその人の勝手…って感じですね(笑)

 教員以外、例えば警察官や役所の人ということになると何らかの制限があるのですか?

 いや、そういった考え方自体が元々ないと思います。先ほど僕が言ったように自分の生徒をまた家庭教師で教えるということになると、こちらで「Conflict Of Interest」(利益相反)と言いますが、その二つには関りがあるのでそういったことは法的にやってはいけないことになっています。

 そういったこと以外の全く関りがない二つ目の仕事を自分の自由時間にどれだけしようがそれはその人の自由です。

 要は本業の業務と利害関係があるようなことをしてはいけないということですね。

梅木さん自身はどのような副業をしているのか

マサムネ

梅木さん自身は何か副業をされているのですか?

梅木さん

私は家庭教師とカナダの教育についての発信ですね。

 まずこちらの先生でありがちなパターンとしては、教員をしながらサイドビジネスとして家庭教師をされる人が多いです。

 自分の学区の生徒でなければいいので、他の学区の生徒や私立の生徒に家庭教師的なことをする先生は多いです。僕もしています。状況によってもう少し生徒がいたときもありますが今は週1回くらいですね。

 最近ですと日本の教育のウェビナーなどに参加させてもらうことがけっこう増えました。実際にこちらで先生をやっている人がカナダの教育について発信していくと面白いんじゃないかなと思って、いろんな形で少しずつ発信しています。

 最近だと教育新聞さんに記事を書かせていただいたりとか、少し先になるのですがベネッセさんに「少し変わったキャリアを築いている人」ということでインタビューを受ける予定です。

 すごいですね!つまり拡張性のあるようなビジネスもしているし、本業と関連性のあるビジネスもしているということですね。家庭教師に関しては今はオンラインでもできそうだからめちゃくちゃいいですね。

 コロナ禍以前だと直接お宅に伺って家庭教師をさせてもらっていたので、移動など全体のコストを考えると微妙でした。今はオンラインでできるので逆にコスパはかなり良くなりました。

 そうですよね。カナダはめちゃくちゃ広いですもんね!

カナダの公務員が副業に充てる時間的余裕は?

マサムネ

副業に充てられる時間はどれくらいあるのですか?

梅木さん

時間を作ろうと思えば作れる環境にありますね。

 教員の基本的な仕事体系は8:15くらいに学校に行き15:00くらいには仕事が終わります。翌日以降の準備などもありますが基本的には皆さん16:00前後には帰宅されています。

 16:00以降は自分や家族のために時間を使います。土日に仕事が入ることはないですし、春休みと冬休みは2週間ずつあって夏休みは2カ月あるので実質1年の仕事は9ヵ月です。時間を作ろうと思えば作れる環境ですね。

 まるまる3カ月の休みがあるんですね!そのあいだは給料が固定給として入ってくるのですか?

 固定給で入ってきますが10回分に分けて夏休みは受け取らない人もいますし、12回に分けて毎月受け取る人もいます。

 年俸制で分け方は自由なんですね。働き方の概念がそもそも違う感じですね!

 そうですね。仕事は仕事で、ワークライフバランスと言いますかそこの区別がはっきりされているので。

 ねるほど、すると1日の労働時間はどれくらいになるんですかね?

 1日4コマ教えます。8時間弱くらい働いていますがお昼休みを考えると7時間ちょっとくらいになるかもしれませんね。

 4コマというのがいいですね。

 そうですね。1コマ80分くらいですが。

 けっこう長いんですね!

カナダの公務員はどんな副業をしているのか

マサムネ

観光ガイドをしている教員もいると別の記事でみかけました。

梅木さん

長い休みがあるのでそういったことをしている人もいるでしょうね。

 夏休みが2カ月でその間に本業とは全然違うビジネスをやっておられる方がいると思います。

 特にカナダで生まれ育った方は休日の過ごし方の概念が日本人と違うなと思っています。日本人て3~4日休んだら「何かした方がいいんじゃないか」って感じると思うんですが、こっちの人は平気で「何週間もビーチでぼーっとしてた」っていう人も多いです。

 副業に関して言えばその長い休みにそれぞれの得意を活かしたことをしているので、先ほど言われたガイドのようなことをしている人もいると思います。

 なるほど。

 僕の知っている方でカメラマンをしている方がいます。こちらのローカルな方がされる結婚式ではかなり規模の大きなものもあったりするので。写真をとって編集してという1つのパッケージでけっこうな額が儲かるという話を聞いたことがあります。

 日本でもウェディングフォトってけっこうな費用が掛かりますもんね。

 良い商売ですよね(笑)

副業が本業に活きることはあるか

マサムネ

副業が本業に活きているなと感じることはありますか?

梅木さん

本業に近い副業をしているので、自分の中での理解度が上がりましたね。

 梅木さん自身が副業を色々と経験されている中で、副業が本業に活きているなと感じることはありますか?

 僕自身は本業にけっこう近いようなことを副業としてやっているので。家庭教師にしてもそうですしこちらの教育を発信する活動にしてもそうですし。

 自分ではわかってはいるけれど説明できるほどではなかった内容なども、いざ発信するとなると改めて調べたり自分の中で消化したりします。

 僕は生徒主体の教育について発信していますがそういった場数を踏ませてもらっているので理解度が変わってきているなというのは実感していますね。

 理解度が増して言語化できたことによってより体系的に活用していけるという側面があるのですね。話を聞いていて思いましたが、子どもたちに対する説得力も増しそうですね。

 そうですね。自分のなかで納得いってなかった部分もあると思います。そういったことも確信をもって理解することで、生徒に聞かれたときも変に感情的にならずに説明することができます。

 説明できる限り説明して、それでもわからなかったらまぁ…それでもついてきてみたいな感じで(笑)とにかく落ち着いて対応できるようになりました。

 なるほど。理論的に説明できる分、生徒とのコミュニケーションでパワープレイをしなくてよくなったということですね。

 そうですね。

日本の公務員が副業をしにくい現状についてどう思うか

マサムネ

日本の公務員は副業がし辛いですがそれについてはどう思いますか?

梅木さん

日本の公務員には自由意思で決められる部分が少ないなと感じます。

 本当に自分が外から見ていて思うことなのですが…。

 日本の学校の先生で言えば「教える」ということの他にも色々とやらなければならないことがありますよね。ワークライフバランスもあまりないんじゃないのかなと思っています。

 時間があるからこそ副業をする、普段の仕事を深める、子育てをする、学業を深めるという選択が生まれると思います。あえて自由にして選択肢を与えていくことによって先生の自由意思で色々決めていけるのではないかと思います。

 そういう意味では日本の公務員は全く逆で、自由意思で決めていける部分が少ないのではないかと思います。その中でも無理やり時間を作って研究をされている人もいるので、そんな人はあり得ないくらいすごいなって思っています。

 余白という言葉がけっこうポイントになってきそうですね。教育にも関係しているのかなと思ったのですが、子どもたちに与えられている余白についてもカナダと日本とでは違いがありますか?

 勉強している内容も違いますし、濃さもこちらの方がゆったりしています。日本みたいにテストが最終目標ではなく、自分の中でどう消化してどう表現するか、アウトプットに重点が置かれています。

 例えばちょっとした小説や一文を読んでそこに対してどう思うかということをすぐ議論できるような人になるのが目標というか、そちらの方向にもっていくのがカナダの教育の方向性です。

 日本の子どものようにたくさんの知識を持ってはいないかもしれないけど、自分の中で整理してすぐ発信できるという力はあるのかなと思います。

まとめ

マサムネ

最後に日本の皆さんに伝えたいことはありますか?

梅木さん

レールがないところでも頑張る力を発揮していってほしいです。

 日本はレールが敷かれていますよね。受験があって、就職をしてその先安定した生活をしていくという、未だにそういう風に考えている人もけっこういると思うんですけどもしかしたらそれはないかもしれないレールに乗せられているのかもしれない。

 レールに乗ってしまえば「頑張る力」は日本人にすごくあると思います。レールでないところであったとしても頑張ったらすごく力が出せるはず。もうちょっと「こうじゃないと」じゃなく「こういう生き方もある」となってもいいのかもしれません。

 先生が本職でもいいし、先生の他にやることがあってもいい。先生に幅を持たせること、またその幅を持たせるだけの余白を作ることによって学校の在り方とか、生徒のこれからを考えたときの人生の在り方に選択肢を持って行ってもいいんじゃないかなと思います。

 ありがとうございました^^


いかがだったでしょうか!

これからの教員・公務員に必要なのは「余白」なのかもしれないということが今回のインタビューでわかりました。

当サイトではあなたの余白を増やし人生を豊かにするための具体的な情報を発信していきますので、今後もお付き合いをお願いします^^

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前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |