当ブログでは4回にわたって教師が安定しない職業である理由を述べてきました。
この記事ではその総まとめをしたうえで、リスクに対する提案をしていきます。
教員は人的資本が蓄積しにくい
教師は教師を辞めた瞬間に稼ぐ能力がゼロになってしまいます。
ゼロは言い過ぎかもしれませんが、実際に辞めた私の実感値です。
詳しくは上記の記事の内容に任せますが、若いうちに辞めても定年とともに辞めてもそれなりの危険性はあると考えています。
教員の仕事が大好きで一生続けられる見通しがあるなら危険性は低いでしょう。
定年まで勤めて再任用で70歳くらいまで続けて教師をすればいいわけですから。
しかし、10年後も今のままの価値観でしょうか?定年と共に別の道を歩みたくならないと言い切れるでしょうか?
教師の仕事をしながらも、人的資本を高めていくための行動を起こすことが重要です。
教員の給与水準は高いといいきれなくなる
コチラの記事で紹介しました。
教師の給与水準はやや高く、倒産もなくリストラもありません。それが安定していると言われる最大の要因ですが、サスティナブルな職業ではないという事実があります。
また、シンプルに給与面から考えても、そもそも日本の給料がこの30年ほとんど上昇していないという事実があります。
国の財政の状況や平均給与に付随して給与が上下動する教員は、世界水準で見ると安月給であるということが言えてしまいます。
また、これは雇用されている人全般に言えることですが、給与天引きされる社会保険や税金は上昇し続けています。
公務員として各種手当も微減するなか、知らず知らずのうちに手取りは落ち込んでいっているということです。
また、2020年ごろから始まった副業解禁の波に乗り遅れる職業であることも否めません。
副業のメリットは人的資本の上昇や、教育への社会経験の還元など様々あります。
金銭面での最大のメリットは教師個人の金融感覚の獲得と、節税効果だと考えています。
時間も体力も捧げてこの国の福祉と教育を支えている教員が、今のままの給与では報われないのではないかと私は考えています。
長く続けられる職業ではなくなってきた
教師は持続的な職業ではないと考えています。私が退職した理由の一つです。
「こんなの60歳まで続けられない・・・。」
その根拠は上記記事で述べたところです。
私の知り合いにも精神的に参ってしまって一時的に職を離れた人は何人もいます。
本当に何人もいますし、優秀な人ほどそうなっています。
私は、教師は子どものお手本であるべきだと思っていますが、それは身だしなみとか率先して挨拶をするとか、そういった表面的なものではありません。
自己犠牲のもとで働き続け、楽をしているように見える人は叩こうとする・・・みたいな姿勢こそを見習ってほしくないんです。
つまり、本質的に大切な生き方の部分をお手本で示すべきだと考えています。
精神疾患で毎年1%の教師は休職か離職をしています。
35年間勤務した人は自分が精神疾患により職場を離れる可能性が30%以上あるということです。
そんな状態で働き続ける教師の姿を、最も身近な大人のお手本として見せてしまっていいのでしょうか。
学校の先生自身が豊かで余裕のある暮らし向きを実現させる必要があります。
副業の禁止と長時間労働
副業の禁止と長時間労働も教師の不安定性の一つだと考えています。
他の業種と比べて残業時間は平均2.5倍ほど。
長時間の拘束をされることで心身の健康を害するリスクが高まります。
また、副業を禁止されている状態では副業ができる会社員と比較したとき、人的資本の高まりは期待できません。
教師の労働環境をそのまま受け入れることは、長い人生を歩んでいくうえでの大きなリスクになることが予想されます。
定年を迎え、何も持たない老人になる可能性も…
ここまでまとめてきた内容を並べて考えてみたとき、正直なところ私には明るいビジョンが持てませんでした。
教師になって3年目までの働き方はというと、朝の6:30~夜の11:30まで学校に滞在し、土日は土曜まる一日と日曜も半日は出勤するという生活を繰り返していました。通勤時間は往復で2時間半程度かかっていましたので、拘束時間は19.5時間でした。睡眠は毎日3時間程度。今考えるとよく3年間投げ出さずに頑張ったなと思えます。
これを一生繰り返すのかと考えると怖くなり、自分でできる効率化はとことん行いました。
結果、一時は200時間近くしていた残業を60時間程度まで削減することができました。しかしこうも思いました。「嫌われることをいとわずに命がけで早く帰る努力をしても月に60時間は残業が発生するのか。」
また、外の世界にも常に目を向けていました。個人で信頼を高め、世の中に価値を提供し、自己研鑽をして本業にフィードバックをする。こういった生き方を体現している人が出始める中、教師にはそういった動きができないことに焦りを感じました。
自分が定年退職した姿を想像したとき、教師以外何もできず、疲れて意欲も低下した人間になっているのではないか。。。そう思うようになりました。
実際に諸先輩方を見渡してみると、もちろん素晴らしい方ばかりなのですが、定年後も同じように学校の先生として働き続けながら、何十年も前と同じことを教え続けている方もいるわけで・・・。
それが向く人もいれば、そうでない人もいる。それだけのことなのですが、自分には向いていなさそうだと判断したわけです。
しかも我々が老人になるころに、現在より教師の待遇が良くなっているとはあまり思えません。低迷する日本の経済、膨れ上がる社会保険の負担。これからもっと個人で稼ぐという考え方が加速するであろう世の中で、今まで通りの教師の生き方を続けていては取り返しのつかないことになることもあり得ると考えています。
私は教師を続けていくことで、定年を迎えたときに「学校の先生」以外に何もできない老人になっていそうなビジョンが見えました。
財産も能力も大してもっていません。
大げさかもしれませんが、自分は絶対そうはならないと言い切れる教師はいないはずです。
教員を持続可能な職業にするためにできること
我々がすべきことは、自分の豊かさや幸福さを最大化させ、整った心で児童生徒や保護者と向き合うことであると考えています。
そのためにどのような行動ができるのかを考えました。
自分の時間の最大化
何につけても真っ先に行うことがこれだと思っています。
勤務時間の厳守。限られた時間の中で業務を遂行し、大切な人や自分のために使う時間を最大化しましょう。
まずはここからです。
これができないとそもそも何も始まりません。
「嫌われるかもしれない」という強迫観念を捨てることと、70%の出来でもいいと割り切ることです。
何よりも時間を守って早く帰ることを優先してください。
好きなことや気になることに没頭する
これは人的資本を高めるための第一歩です。
残念ながらお金を得て副業をすることは禁じられていますが、であればお金を得なければいいだけの話です。
教育に関することであれば兼業も認められますが、私は関係ないことでもいいと思っています。
できれば匿名でもいいので好きなことに関しての発信活動を行い、信用を集めていけばなおいいと思います。
それがそのままお客さんを集める経験になりますし、もし何年か先に公務員に副業解禁の流れが来たならば、そのまま活動の規模を広げることができるはずです。
お金儲けは決して悪いことではありません。
提供した価値の大きさが可視化されただけのことで、集まった資金でもっと多くの人の課題を解決することもできるかもしれません。
多くの教師がこういった活動を始めれば、結果的に日本の教育は大きく変わっていくと考えています。
少しだけ金融リテラシーを高める
教師の給与はなんだかんだ言っても少しだけ高い水準にあります。
このベースとなる給与をもとに生活の基盤を安定させることができれば、鬼に金棒です。
やり方さえ間違わなければ50歳代でセミリタイヤができる可能性も教師にはあります。
しかし金融リテラシーを高めるための努力をしていなければ勝手にそうはなりません。
教師は貧乏にも裕福にもなれる職業だということです。
では何から始めればいいのか。
いきなり投資なんてする必要はないと思っています。
まずは家計を見直し、少しだけ貯金や自分の贅沢にまわせるお金の額を増やすところからでいいのではないでしょうか。
おわりに
正規で教師になった瞬間、実は大きなリスクをしょっているというのが、私の所見です。
長く継続的に働けるのであれば素敵な仕事だと思いますが、現状そういった学校ばかりではありません。
豊かな人生を獲得し、子どもたちに還元していくためには、自分自身で行動することが何よりも重要です。
今回紹介した具体的な内容を、できるものからでもいいので実践してみてください^^
オススメは「早く帰る」です^^
というかこれができないと他のことができないので、とにかく早く帰れるように効率化や嫌われる勇気の獲得を最優先にしてみてはどうでしょうか。
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