公務員の副業・兼業

非常勤講師が個人事業主になるとお得な理由をわかりやすく解説

非常勤講師+個人事業主になるとなにがどのようにお得なのかまとめました。

『非常勤講師をしていて講師以外に副収入がある』という方や、『非常勤講師と個人事業主で生きていけないかな』といった方向けのまとめページです。

このページを上から順番に呼んでいくことで非常勤講師+個人事業主のお得さがわかり今すぐ開業届を出しに行きたくなります。

「とりあえず非常勤はしてるけど事業主として副収入なんて何していいかわからん」

という人もそんなに大げさに考える必要はありません。

子どもの習い事の先生をすることとかハンドメイドだって立派な副収入ですがそこまでハードルは高くないからです。

記事の信頼性

僕自身が現在非常勤講師で、それとは別に講演料やYoutubeチャンネルで微々たる副収入を得ています。この掛け合わせで年間50万円くらいは得をしています。

なんで50万円くらいお得なのかは記事を読み進めていただければわかると思います。

動画で聞き流したい人はこちら↓↓

結論:個人事業主として開業しておくと節税できる可能性があるから

簡単にいうと開業しておくと税金的にお得だからです。

生きてるだけで色んな税金を徴収されますが、「所得税」という税金を縮小できる可能性があります。

非常勤講師の所得税

非常勤講師の給料は「給与所得」という種類の所得であり、そこから所得税を納めています。

非常勤講師の所得税は給料から源泉徴収されています。オートで天引きされているということです。

仕組みだけ見ればアルバイトと同じですね。

個人事業主の所得税

継続した事業をしている場合は「事業所得」を得ているということになります。

事業所得=売り上げ-必要経費

例えば音楽の非常勤講師の人が自宅でピアノ教室を開いていて月1万円の売り上げがあるとします。

3000円の電子メトロノームを購入したとしたら、

10000円-3000円=7000円

ということで事業所得は7000円となります。

個人事業主の場合はこの7000円に対して税金がかかってくるわけです。

つまり課税される前に諸々の費用を経費に計上できるということですね。

経費に計上できるものの例
  • 書籍
  • 交通費
  • 消耗品費
  • 自宅兼事務所の家賃(家賃の一部のみ)

事業に関係ないものを経費にはできませんが、事業していなくても買っていたであろう物などもあるはずです。

それを税金を掛けられる前に経費にできるのはありがたいです。

以下記事で非常勤講師向けのおススメの副業・兼業を紹介しているので参考まで↓

給与所得と事業所得の損益通算

開業3年目くらいまでは事業が赤字になることもあると思います。

生活に大打撃を与える赤字ではなく、色んなものを経費計上した結果赤字になるのですが。。。

そんなときに事業の赤字分を給与所得にぶつけて課税される所得を小さくする仕組みがありまして、それが損益通算というものです。

具体的な例で解説します。

年収200万円の非常勤講師の課税所得

課税所得とは年収から諸々の控除を差し引いて、課税される所得のことです。

年収200万円の非常勤講師は色々控除されて課税所得はざっくり60万円ほどになります。

年収200万円の非常勤講師の所得税額

所得税は課税所得が課60万円だと5%の税率がかかります。

税所得×税率=所得税なので

60万円×5%=3万円

年収200万円の非常勤講師の所得税はざっくり3万円ということですね。

3万円しか税金かからないんだったら甘んじて払うけどな…とそういうことでもないんです。続きをどうぞ。

個人事業主として開業して赤字が出た場合…

個人事業主としての売り上げが年間20万円だったと仮定します。

そして50万円ほど必要経費として計上しました。

  • ZOOM打ち合わせ用のノートPC
  • 勉強用の電子書籍リーダー
  • 交通費
  • 書籍代
  • 自宅兼事務所の家賃の一部
  • アプリ使用料
  • 消耗品費


20万円-50万円となり30万円の赤字ですよね。

この赤字を損益通算します。

さっき出てきた非常勤の課税所得から個人事業の赤字を引き去ることができます。

課税所得60万円-事業損益30万円=30万円

課税所得が30万円に減額されるので所得税の計算も変わります。

30万円×5%=1万5000円

所得税は1万5000円になりました。やっほい!

手間がかかる割に少額しか節税できない?

年間1万5000円の節税で手間のわりに節税できる金額がしょぼく見えますが、実施に家計に与えるインパクトはもっと大きいです。

そもそも個人事業主としてあげた収益に対しては全く課税されていませんよね。もともと買う予定だったものとか家賃とかも含まれているはずなのに。

そのうえで所得税が1万5000円かえって来ています。

元々興味のあった分野などで小さく起業すれば起業していなくても使うはずだったお金を経費にできるわけです。

非常勤講師+個人事業主の具体例

アウトドア大好きな年収200万円の非常勤講師Mさんを例にして非常勤一本と小っちゃい個人事業との兼業でどれくらいの差が出るかを見ていきます。

非常勤講師のみ

非常勤講師のみで生計をたてている場合はどんな家計になるのでしょうか。

  • 手取りが年間165万円
  • 家賃、光熱費、通信費、食費などの固定費に年間120万円
  • 衣服や交際費や日用品費などの変動費で年間25万円
  • 165万円-120万円-25万円=自由に使えるお金20万円
  • 年間約20万円はアウトドア費用に(交通費、用品費用)

165万円120万円25万円20万円0円

本人の手残りはゼロですね。一人暮らしを辞めて実家に帰るよう勧めたいところです。

常にギリギリの生活になるので恋人を作ることもままならない感じがします。

非常勤講師+個人事業主の場合

非常勤の条件はも生活にかかるお金も先ほどと同じで、ここに年間20万円ほどの継続的な事業所得があると仮定します。

ブログやYoutubeでアウトドアのノウハウを発信して収益化し、月に1~2万円の収益があるという状態ですね。

  • 手取り年収165万円+収益20万円
  • 固定費の一部を経費計上し年間105万円
  • 変動費の一部を経費計上し年間20万円
  • アウトドアブログの関係費用30万円
  • 20万円-(15万円+5万円+30万円)=事業損益-30万円
  • 損益通算で所得税は1万5000円減額

165万円+20万円105万円-20万円-(15+5+30)万円+1.5万円11.5万円

ちょっと複雑ですがこんな感じです。

アウトドアにかけられるお金が10万円増えたのに11万5000円も貯金にまわすことができています!!

余分に稼いでいるから当然といえば当然のようにも感じますが、何かを引かれる前に使えるというのがとっても大きいのです。

手取り165万円て書いていますが、そもそも200万円もらっていたはずですからね。。。

その一部が還ってくるうえに売り上げは全て事業の費用に計上できるということで、そこが非常勤講師&個人事業主の魅力といえます。

もちろん執筆や編集の手間などは増えますが

翌年以降は事業がさらに成長するかもしれませんし、基本的には自分が好きなことをやり続けているだけなのであまり負荷もかかりません。

非常勤講師はフルタイムの人と違って事業に割く時間を多くとることができます。

そういった意味では、不安定ではあっても事業の方が成長する可能性がフルタイムの人より大きいともいえるわけです。

まとめ

非常勤講師は個人事業主として開業するのが間違いなくお得です。

ポイントは既にやっていることをあまりお金を掛けずに事業化することです。

そうすることで先ほどのMさんの例に見るようにやりたいことにかけられるお金が増えるうえにお金も増えるという魔法の現象が起こります。

複数の収益源を得て家計の安定性も増すので、非常勤講師として働いている人はぜひ検討してみてください。

シン・公務員 管理人Twitter

シン・公務員チャンネル

関連記事

非常勤講師関連記事

正規から非常勤になった体験談

ABOUT ME
前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |