教師の家計簿

小中学校非常講師の給料【時給・ボーナス・社会保険】給与明細も公開

学校の先生をしようという方の中で非常勤講師を検討されている方もいるのではないでしょうか。

僕も多様な働き方と自由な時間の拡大のため、2021年現在非常勤講師と自営業の兼業をしています。

そんな僕が非常勤講師の給料の実態や、賞与や社会保険に関する情報をまとめました。

公立小中学校の非常勤講師を検討する際の参考にしてください。

動画で知りたい方はコチラ↓↓

週13時間の非常勤講師の月収【マサムネの場合】

ある月の月収約170000円
時給約2800円
週当たりの勤務時間13時間
週当たりの勤務日数3日
1日の実働時間4~5時間

勤務の様子と明細に書かれた金額をざっくり紹介すると上記の通りになります。

ほぼ週3の午前中のみで17万円はアツい!!

夏休みなどの長期休暇は賃金が発生しません。

非常勤講師の勤務形態

契約上は1コマ単位での勤務となります。

45分授業の場合は準備や評価を含め前後の時間をあわせた60分が勤務時間です。

1コマ契約の場合は残業などをさせることはできず、あくまで授業のみを担当することになります。

保護者との面談や複雑な生徒指導対応を担当することはほぼありませんが、授業の中で日常のトラブルに対応することはあり得ます。

建前は残業させられないことになっているますが、実際は残業しなければどうにもならない業務量を任されることも。。。

例えば小学校で教科担任などを受け持つと…

  • 教材研究
  • 提出物のチェック
  • 授業準備

このあたりの業務を授業の時間以外にしなければなりません。

しかし多くの自治体では担当する授業時間にしか給与を支払うことができない仕組みになっています。

名古屋市の非常勤講師

名古屋市は非常勤講師の方が労働基準監督署に申し出て未払いの残業代の支払いを受けられた、という出来事がありました。

その件以降、16時間程度の授業時数に対して4時間くらいの空きコマがつくようになったようです。

全国に波及したらいいなと思っています。

都道府県別非常勤講師の時給

自治体名時給(令和3年度)
鹿児島県2820円
広島県2670円
大阪府2880円
富山県2810~2894円
東京都1880~3350円
宮城県3360円
札幌市2884円

概ね2800円程度が一般的なようです。

東京都の派遣社員の平均時給は1568円なので、一般の派遣社員などと比較すると高単価であると言えます。

また上記とは別にやや複雑な勤務形態をとっている自治体もあります。

大阪府池田市

通常は府費で非常勤講師を採用していますが、それとは別に市費での採用も行っているようです。

  • 週4日 、6.25時間勤務
  • 専科などを担当
  • 固定給約190000円
  • 長期休業期間中も給与支給
  • 期末手当有り
  • 社会保険加入(協会健保)
  • 基本的に1年契約で翌年以降の延長もある
  • 残業代あり(残業は原則発生しない)

愛媛県

非常勤講師は時給制でなく、日当と月額の2パターンのようです。

  • 日額5600円(2時間)
  • 月額105609円(週20時間勤務)+期末手当年180000円程度+社会保険

時給換算すると月額の働き方の方が損をしているように見えます。

しかし期末手当が支給されていること、社会保険にも加入させてもらえることなどから時給換算するとほぼ同額になるよう設定されているのかもしれません。


もしくは配偶者の社会保険の扶養の範囲から出たくない人が多いための措置とも考えられます。

雇用のされ方は地域による特性が出やすいですね。

非常勤講師のボーナス

週に15.5時間以上、6カ月以上勤務する人には期末手当が支給されます。

これは僕の調べた限りではどこの自治体でも同じだったので、会計年度任用職員に共通する制度なのかもしれません。

額はだいたい10万~20万円程度。

基本的に冬の方が高額です。

非常勤講師の年収

自治体都合での雇止めがあるため年収の見通しが立ちにくいです。

週10時間で4月~3月まで勤務の場合

2880×10時間×4.5週×10か月(長期休業等除いた月数)=1296000円

年収約130万円

上記の場合工夫をすれば配偶者の扶養の範囲内で働くこともできるかもしれません。

週5日20時間勤務の場合

2800×20時間×4.5週×10か月+期末手当300000円=2820000円


年収約290万円

この場合は週5日の午前中勤務のみで社会保険もついているのでかなり良い働き方です。

東京都などの高単価な自治体で勤務できれば年収300万円も超えてきそう。

教師のセミリタイアで使えそうな働き方だといえます。

非常勤講師の社会保険

基本的には社会保険には入れないため自分で国民健康保険に加入するか配偶者の扶養に入れてもらうしかありません。

ただし、一定条件を満たすことで非常勤講師も協会健保にという社会保険組合に加入することができます。

  • 週20時間以上勤務
  • 1年以上の勤務を見込んでいる

上記の条件の勤務の期間については令和4年10月に「1年以上」から「2カ月以上」に変更される予定です。

非常勤講師の副業

正規の公務員と違って特に手続きなどをしなくても兼業は可能です。
非常勤講師は「会計年度任用職員」という扱いになりますが、これは2020年に新設された非常勤公務員の制度です。

有給休暇や福利厚生が手厚くなった一方で公務員としての服務規律が以前より明確になりました。

そのため信用失墜をする可能性のある兼職はできません。

ちなみに私マサムネの場合は非常勤講師業を副業と位置付けて発信活動その他の自営業を本業として活動しています。

まとめ

今回は非常勤講師の給料その他についてまとめました。

  • 非常勤講師の時給は自治体によって異なる
  • 時給2800円前後が一般的
  • 週に16時間以上勤務する人にはボーナスの支給もある

正直なところ非常勤講師一本で家族を養うのは難しいですが、パラレルワークのうちの一つとして考えるのはアリだと考えています。

令和4年からは社会保険にも加入しやすくなるので一考の価値ありです。

ただし実際は時間内に収まらない業務量を任される場合もあるため勤務しようとしている自治体の実態についての下調べが必要です。

非常勤講師の実態や時間外労働についてはまた別の機会にご紹介します^^

ABOUT ME
前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |