公務員の副業・兼業

副業禁止と長時間労働のリスクー教師が安定しない職業である理由④ー

こんにちはマサムネです。

今回は教師が安定しない職業である理由の第4弾です。

第一弾→コチラ 第二弾→コチラ 第三弾→コチラ

この記事を読めば、実は教師が安定していない職業だということがわかります。

教師と一般企業の残業時間

余暇、つまり雇われていても自由に使える時間は命の残り時間と同義です。

人生の残り寿命が50年だとしたら、その人の命=50年なわけで、、、、

時間は有限で戻ってこないわけですから、最大限使いたいように使う必要があります。

もしこの大半を奪われてしまうようなことがあっては、それは命を奪われている状態と同義であるということです。

一般企業の平均残業時間

一般的な正社員の平均残業時間は1カ月あたり約34時間だそうです

転職サービス2社のデータを平均したデータです。片方は20.6時間も、もう片方は47時間という結果でした。

少し実際の様子よりも少ないような気もしますが、事実なら教員よりはかなり少ない水準だといえます。

教師の残業時間

正規教諭の1カ月の平均残業時間は持ち帰り業務を含めると約80時間です。

教員勤務実態調査より

僕が最も多く残業をしていたころは、、、おそらく200時間くらいは1カ月に残業をしていました。

本当にもう毎日アタマがフラフラになってしまって何をしているのかも自分でわからなくなっているような状況でした。

授業は自転車操業で、その日の朝教室に行くまでの階段で考える・・・そんな状況でした。

そんな中で1年半くらいやって途中から少しマシにはなっていきましたが、なんとか乗り越えた感じでした。

でも目の前に子どももいますし、自分が倒れたら学年の教師陣が瓦解するような感覚があったので歯を食いしばって毎日学校に行きました。

このことはまた別の機会にでも書きたいと思います。

一般企業の平均と比べて2.4倍の時間外労働

雇用されている人の1日の労働時間は8時間程度、通勤や休憩を含めれば1日10時間以上は拘束されていることになります。正直これでも十分に長いです。

寝ている時間を8時間だとすれば、残っているのは6時間しかありません。

家事や生活のための時間が3~4時間程度は必要でしょうから、余暇はほとんどないことになります。

残業がなくてもこうなわけです。

教師は一般企業の平均に比べて2.4倍の時間外労働をしていることになりますが、これでは日々の生活でいっぱいいっぱいになってしまいます。

定年までこれを繰り返すとしたら、学校の業務遂行と家庭生活の維持をしながら定年までマラソンをすることになるわけです。

禁じられた副業

多くの会社員や公務員は副業を禁じられています。

しかし、2020年代は大副業時代になりました。

兼業する人が増え、自らの人的資本を高め続けています。人的資本についてはコチラ

会社員も副業ができない人は多い

会社員も副業を禁止されている人は多いようです。

会社の内規で決まっており、こっそりと副業をするというパターンが多いです。

しかしあくまで「内規」なので法に抵触することはありません。ここは大きな違いです。こっそりネット上で副業をしても、会社にさえ発覚しなければ法律を犯していることにはなりません。しかし公務員である教師はそうはいかないわけです。

教師がこっそり副業をしたとしても、インターネット上で自分の身分を明かすことはできませんし、法を犯しているという精神衛生に良くない重しがのしかかります。それが理由で僕は現役教員のとき副業ができませんでした。

うまくこっそりやったとしても、バレれば経歴に傷がつきますし、退職後に自分の事業をいつからやっていたかということをはっきりといえなくなってしまいます。

公務員にも副業解禁の流れ

神戸市や生駒市などの地方公務員に向けては副業解禁の流れが始まっています。

ただし自由度はまだまだ低いようです。

「公益性の高い事業に従事して金銭を受け取ってもよい」というレベルの内容ですので、NPOや地域のスポーツ少年の指導などに限定されています。

本格的に自分の事業をもったり営利目的の私企業を営むことに関しては、もう少し時間がかかりそうです。

教師が副業することの意義

個人的に教師も副業(複業)をするべきだと考えています。

視野が広がる

学校の中にいて毎日同じ業務をこなしていたら、視野が狭くなっていきます。実際に自分もそうなりつつあることに毎日危機感を抱いていました。

私は現役時代に公務員法に抵触しないよう利益を生まない副業をしていました。そこで色んな業種の方に触れたり、責任をもってお仕事をさせていただくことによって、教師をしていたら得られなかった視点や価値観を得ました。

これからの時代を生きる子供たちを育てる教師が、狭い価値観しか持たないというのは相当にマズいことだと考えています。

人脈が広がる

趣味にも置き換えられますが、学校以外の人との交流を持つことがめちゃくちゃ大事です。多様な価値観に触れられます。

私も色んな知り合いの方ができました。飲食店経営者、外科医、コンサルティング会社経営者などなど・・・。

学校外の活動を通じて人脈を広げることにより、内なる多様性を醸成することができます。

ちなみに私には原因が特定できなかった持病があったのですが、知り合ったお医者さんのおかげで回復に向かっています。

こんなこともあるんですね。

時間管理が上達する

教師にはダラダラと仕事をする人が多いこともまた事実です。

自分にコストがかかっているということに無自覚な人が多いからだと考えています。私がそうでした。

複業をするとなれば、時間をなんとか捻出する必要がありますし、家庭生活ももちろんおろそかにできません。

時間のマネジメント術は間違いなく向上します。

人的資本が増す

人的資本についてはコチラ

教師は退職した瞬間に人的資本が0になってしまう職業です。

これは何歳で退職したとしても基本的にそうなります。

複業をすることで人的資本は高められますので、万一のリスクに備えることができます。

途中で退職してしまっても、定年して残り人生が長くても、稼げる力が身についていれば貧困にはなりません。

まとめ

教師は副業が禁じられていて、長時間労働が常態化しています。

自分のゆとりの時間を持てないうえに、自分自身でお金を稼ぐ(=価値を生み出す)作業を行うことが禁じられているわけです。

このことにより、教師は本当につぶしが効かない状態になっています。

教師を何らかの理由で辞めた瞬間に、その人の人的資本は実質0になってしまうわけです。

ここまで述べてきた教師のリスクを軽減させるために、教師自身に何ができるのかということを次回記事で考えていきます。

ABOUT ME
前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |