こんにちは。教育コンサルタントのマサムネです!
僕は学校現場で叱らず褒めない勇気づけの教育を実践してきましたが、家庭でも3歳の娘と1歳の息子をアドラーのメソッドで子育てしました。
- 勇気づけの子育てを3年間した結果
- アドラー式子育てのポイント
- アドラー式子育ての具体的実践
こういった内容をまとめます。
我が子をなるべく叱らず、勇気づけのアプローチをしてみたい方の参考になれば幸いです^^
アドラー心理学の子育てとは
アドラー心理学について簡単に紹介します。
「嫌われる勇気」で一躍注目されるようになったアドラー心理学では、教育の目標を「自立」においています。
「自立」の邪魔になる接し方をしないのが基本!
「自立」するということは、自分で考え正しい選択ができるということです。
「コップを逆さまに持ってはいけない」ということを身に付ける際にも、「親の顔色が悪くなるからやらないようにしよう」という判断基準になると、なぜそれをしてはいけないのか自分で考えられなくなります。
「自立」とは反対の「依存」の状態になるわけです。
成長していくごとに自分で判断すべきことは増えていきます。
その時に自ら考え、ベストな選択や他人への貢献をしていくためには、他者の判断を材料に決定していてはいけません。
「コップを逆さまにするとどうやら水がこぼれるみたいだから、正しい向きで持つようにしよう」と、考えられるようになるのが、アドラー心理学のアプローチです。
褒めたり叱ったりということは行いません。
勇気づけです。
子どもの行動の善悪を親が判断して承認するのではなく。子どもがしてくれたことに感謝や感嘆の気持ちを表現していきます。
自分の行動が他者の役に立てていると自認してもらうための働きかけを「勇気づけ」と呼んでいます。
子どもの行為に、「ありがとう」を言うだけなので簡単です^^
アドラー心理学子育て3年間の結果
我が家の子どもは長女3歳と長男1歳の二人です。
サンプル数たったの2ですから参考程度に捉えていただけるとありがたいです^^
この3年間、子どもたちを叱ったり褒めたりせずに、とりあえずかわいがって失敗は経験してもらってやりたいようにやってもらって。。。という感じで育ててきました。
危険なことや他の赤ちゃんに迷惑になるようなことに関しては問答無用で制止していましたが、それ以外はかなりフリーダムです(笑)
何か手伝ってくれたり嬉しい時はありがとうや嬉しい気持ちを感じたままに渡しています。
叱られず育つと大人を舐めるようになるか
皆さん気にするところだと思いますが、全くそのようなことはありません。
基本的には素直で賢くていい子に育っています^^手前味噌でスミマセン(;’∀’)
保育園でも二人ともお利口さんということで先生方に良く言っていただけています。
ありがとうを大切にしているので、娘はよくありがとうを口にします。
お茶とって!と言われた渡すと「ありがとう^^」と自然に言いますし、スーパーのレジではお店の方に「ありがとう」と言います。
ちびっこがありがとうと言うと大人の方はたいてい喜んでくれますので、「ありがとう」は人が喜んでくれると学習しているのかもしれません。
たまに娘のありがとうに無反応な人もいますが、そういうときは「ちょっと聞こえてなかったのかもしれないね」とそっとフォローしています。
下の子はとことん素直で、お風呂前に姉がぐずぐずと脱ぐのを渋っているときも、自分はスタスタ歩いてきて「服を脱がせてくれ」みたいな表情で待機しています(笑)
叱られずに育てると打たれ弱くなるか
これは多少そういった部分はあるかもしれません。
3歳の娘が保育園で滑り台が楽しくて少し危ない遊び方をしたときに先生に注意されました。
表情が固まってしまってさめざめと泣いてしまったとのことでした。しかし謎に切り替えは早く、その後は同じことをしないように注意しながら遊びに復帰したとのことでした。
他所で叱られると、かなりへこんでしまいますがなぜか切り替えは早い・・・という謎の女子に仕上がりつつあります。このあたりは本人の持ち前の性格に起因しているのかもしれません。
叱らず褒めずに育てられた3歳と1歳の情緒
保育園では二人ともほとんど泣かないそうです。落ち着いた子に育ってくれました。
慣らし保育期間に他所の家庭の子たちが朝の親との別れの際に大号泣するなか、二人ともニコニコしながらバイバイしていました。
1歳の長男は4日目くらいから別れ際少し泣くようになりましたが、最近は特にそういったこともありません。
一方で二人とも家庭では普通に泣きます(笑)
ただ無駄な泣きは恐らく少ない方なのではないかと思っています。
泣くというのは言葉が使えない赤ちゃんの意思伝達の手段ですが、ときに親の気を引くためだけに泣くこともあるわけです。
このあたりの見極めは親ならばそこまで難しくないと思うのでよく観察してみてください。
本当に必要で泣いているのか、気を引くためや自己主張のために泣いているのかはよく観察してみるとわかります。
乳児の空腹や眠気で泣いている場合は解決するために手助けするのは親として当然なのです。しかし自分で解決できることなのにあえて泣いているときはコチラからは何の手助けもしません。
「こうやったら解決するんじゃないの?」といった提案はしますが、気を引くためだけに泣いているときにかまえば「こうすれば気を引ける」と誤った学習をしてしまうかもしれません。
ですから、子どもの承認欲求を満たすためだけの癇癪には一切付き合わないわけです。
切り替えが早かったり、保育園で無駄に泣かなかったりという様子には普段からのこういった接し方が多少なり影響しているのではないかと考えています。
そのかわり癇癪のない普通な時はデロデロに可愛がっています(笑)
普段から存在してるだけで愛おしいって伝えまくるわけですね^^
たまにこちらの予想を上回る成長ぶりを発揮する
とめないのでずっと歌っている3歳の長女ですが、ちょいちょい知らない歌を覚えて帰ってきます^^
戦略的に育てているわけではなく、本人の伸びたいように任せていますが、今のところニコニコスクスク育ってくれていますよ^^
怒りを使わずに育成することで不要なストレスを受けずにのびのびと興味のままに成長できるのかもしれません。
普通にいうことを聞かないときはよくある
「親の提案に耳を貸すかどうかは本人の課題である」というのがアドラー心理学の立場です。
ただただ「おもちゃをお片付けして」と伝えても、本人に動機がないのでちょいちょい無視してきます(笑)
コチラからはそれ以上は働きかけません。今現在はお片付けをしないことによる不都合を自分で感じ取ってもらっている最中です。
ときどきおもちゃを踏んづけて痛がっていますし、昨日はお気に入りの王冠のカチューシャが誰かに踏まれて割れてしまっていました。
以前、お片付けできなければ捨ててもいいと宣言したのに出しっぱなしにしていたおもちゃを、3回出しっぱなしにしていたことで本当に捨てられるという経験もしました。
そんなこんなで最近は「どうやらお片付けした方がよさそうだ」とわかってきたらしく、今朝も出しっぱなしの積み木をなんとなく片付けていました。
ただそれは弟とその友達が出したものなので少し不憫だなと思いましたが・・・(^^;
お片付けをして部屋をきれいにしてくれたら「協力してくれてありがとう」と言うので、出しっぱなしにする不利益よりも片付けて感謝される方が旨味が大きいことに気付き始めているのかもしれません。
いずれにしてもすべてを計算し、親が狙いをもって操作しているわけではありません。
行動の結果を本人に還しつつ愛情をもって接してきただけで、本人が自分でそのように育ってくれただけです。
子どもといえども人としては対等!!
アドラー心理学子育てのポイント
アドラー心理学の子育てポイントをいくつかまとめてみます
子どもを叱らない
基本的にはどんな年齢の子どもでも叱りません。
「叱られるのがイヤだから〇〇をしない」という状態は自立とは言えないからです。
褒めない
叱らないのと同じ理由です。
「褒められたいから〇〇する」も自立とは真逆です。
目的が大人にみてもらうことや褒められることになってしまっています。
結果を還す
危険のない範囲で行動の結果を本人にかえしてみましょう。
テーブルの端にコップを置いておくと落としてこぼれる恐れがあります。
一応「落ちてこぼれてしまうかもしれないからテーブルの奥に置かない?」と提案はしますが応じなければそのままにします。
結果こぼしてしまったら「床を拭いてね」と伝え特に叱りません。
繰り返すうちに、自らテーブルの端に置くのをやめるようになりました。
感謝と感動は素直に伝える
叱る褒めるは相手を操作しようとする態度ですが、感謝や感動といった子どもに勇気を与える行為はしっかりと表現しています。
物をとってくれたら「ありがとう」、スプーンを使えるようになったら「僕もうれしい」のような感謝と感動を日々伝えます。
子どもは親の希望を満たすために生きているわけではない
親が子供にいうことをきかせたいと考えるのは究極的にいえばすべては親のエゴです。
道に飛び出してほしくないということですら親の希望なわけですが、これは生命の危機を避けるためなので仕方ありません。
「コップの水をこぼしてほしくない」も掃除するのは親なので正当な願いのように見えますが、子どもからしたらコップを好き勝手に操作してみるのは学びの一つです。
それを訳も分からず止められると当然不愉快になるでしょう。
全ては親のエゴだということを念頭に置いて接してみることをおすすめします。
時短をさける
子どもを叱ってしまうことの多くはここに原因がある場合が多いです。
急いでいるのに靴下をはきたがらないということはよくあります。
時間の概念は子どもにとって難解なので、ここで衝突してしまわないよう仕組み作りが必要です。
まとめ
今回はアドラーのメソッドで3年間育児をしてきた結果と、育児のポイントをお伝えしました。
まとめると
- アドラー子育ては自立のためのアプローチ
- 子どもに結果を還す
- 子どもを叱ったり褒めたりしない
- 子どもに勇気づけを行う
- 子育てはすぐに結果を求めてはいけない
以上のようになります。
色々と偉そうに書いていますが、僕も普通にイラっとすることはよくあります!
寝起きでお腹に突っ込んでこられて普通に怒っちゃうとか、そんなのしょっちゅうです(;’∀’)
親として自分も多少失敗することはありますが、そんなに簡単に子どもの心は離れないので大丈夫です。
大事なことは、しっかりと愛情を注ぎ子どもの成長をまずは親が楽しむこと。
そのうえで、時間や決まりに縛られることなく子どもを一人の人間として尊重した接し方をしてみてください^^
個人的には、この子育ての考え方はめちゃくちゃ広まってほしいです。では!!
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] アドラー心理学教育 勇気づけだけで怒らずに3年間子育てしてみたアドラ… 子どもを叱らない教育の基本的な考え方子どもを叱らない教育の基本的な考え方… 人を育てるときは長い目でー短期目線の欠陥と長期目線の具体的手法ー教育は長期目線で行うものです。なぜ長期目線で行うのかと、その具体的な手法についてまとめています。… アドラー心理学 叱らない教育 褒めない教育 ABOUT ME マサムネ 教員コンサルタントとして、執筆、講演、ブログでの発信を行っています。アドラー心理学教育、教員の兼業・セカンドキャリア、教員の育休などの支援や講演活動がメイン。外部から公教育を良くしたい元中学教諭。副業で小学校の非常勤講師とYoutubeチャンネル運営。 BLOG:https://kyoshisyatyo.com […]