「先生がパパ先生になったら読む本」が気になっているんだけど、子どもを迎える前に読んでおいた方が良いのかな…。
こういった疑問に答えていきます!
この記事を書いている僕(前田ひろあき)は
- 元公立中学校教諭
- 2年8カ月の育休取得経験アリ
- 2歳と4歳の父
- 教員の兼業を研究する団体「シン・教員」代表
著者の一人である江澤さんとはパパ友。
って感じで、育児教員ど真ん中のワタクシが解説します。ちなみにパートナーも正規の小学校教員です。
💡この記事でわかること💡
- 先生がパパ先生になったら読む本の概要
- パパ先生になる人におススメかどうか
※本文では署名を「パパ先生本」と略して明記させていただきます。
パパ先生のインタビュー&制度解説によって構成
パパ先生本は4名のパパ先生の座談会から始まります。
小学校、中学校それぞれ2名ずつのパパ先生が登場し、経験談を交えてパパ先生になる予定の方が抱くであろう疑問に答えていく形式で内容が進行します。
2章以降では、それぞれのトピックに対して著者の先生方が詳細に解説してくれており、6章では最新の育児にかかわる制度を詳しく解説してくれている…という構成です。
体験談・制度、それぞれ周りに聞ける人がいない場合が多いから助かりますよね。
男性の先生の育休や育児に関する情報は身近な先生から得にくいというのが現状です。
私のもとにもときどき寄せられますがとにかく誰かの体験談が聞きたい、制度について詳しい人に話を聞きたいという相談は多い。
パパ先生本は、「育休や育児を積極的にしていきたい先生の相談に載ってくれる本」という表現がピッタリな内容でした。
パパ先生本のおススメのトピック3選
各先生方が紹介してくれているトピックの中で、実際に育休を取得した私が「ココすごくいい!」と感じた部分をいくつか抜粋してご紹介します。※内容については書けないのであくまで感想です。
各トピックについてはAmazonの販売ページのサンプル画像で目次が確認できますので、そちらからどんな項目があるかご確認ください。
パパ先生の時短勤務
「育児時間」と「育児部分休業」の違い、知ってますか?
ここを読んで感じたのは、とにかく知ることが大事!!ということです。
赤ちゃんが生まれてきてくれた後の勤務時間を軽減する制度などについて解説されたトピックですが、めちゃくちゃここにしかない情報と言いますか…。まずこの制度を使っている男性の先生がまだまだ少ない。
また、制度そのものの違いを把握していない人も多いのではないでしょうか?
ご自身の家計の状況を加味しつつ、家庭にとって社会にとって何が一番いい選択なのかを考えるためには、まずは制度について知ることから始めないといけないなと再確認できました。
土日の部活をどうするか
中学教員としてはここがめっちゃ気になる!
このトピックを読んでいて感じたのは、「登場する先生方すごく動くな!」ということです。
管理職の先生との関係性や自分自身のスタンスも大事であるという話題が登場しましたが、そのあたりは私も深く同意するところです。著者の一人である江澤先生は部活動の指導者としても結果を出されていたのですが、そこからパパ先生に移行していった際の心情の変化やスタンスの変化を語っておられます。
また、そもそもの部活動の地域移行の文脈などから働き方として部活動をそのままにしておいてよかったんだっけ?という提言もなされています。確かにその通りで、そもそも現状の部活動がバランスを欠いた働き方の原因になっていることも見逃せません。
パパ先生本では、そのあたりを詳細な事例を含めてどう解決していくかが紹介されています。
副業・兼業のメリット
育児になんで副業・兼業が出てくるの?
と思った方もいるかもしれません。
これは5章の「これからのキャリアと人生」の中で紹介された教員の副業に関するトピックです。パパ先生本の中では、本業での活動を伸長させるための実践研究費を得るための方法や、実際に教員としてどのように兼業をしているのか…といったことが紹介されています。また、江澤先生のお話の中では兼業がどのように教員としての資質向上に関係しているのか…といったことも語られていますね。
育児と兼業の結びつきとは…?
ここからは当サイトや私の活動から見えてきたことなのですが、育児・特に育休と教員の兼業副業には密接な関係があります。
教員の兼業を研究実践するコミュニティ「シン・教員」を運営しているのですが、ここに参加されている先生方の中にも育休を取得したことのある男性教員の方の割合は多い。
育休も兼業も、「職場としての学校」という慣れ親しんだホームから飛び出す行為であるという意味において共通しています。
外界の知見を取り入れたいと考える先生と育児は非常に関連性が高いというのが、ここ数年での我々の実感です。
教員の越境を研究するコミュニティ「シン・教員」はコチラ↓↓
パパ先生本のまとめ
当サイト初の書評では「先生がパパ先生になったら読む本」をご紹介しました。
印象的だったのは、登場する先生方が育児をしっかり行いそれを当たり前のことにしていくという、ある種の使命感も持っておられることでした。
実は男性の先生方の育休取得率は全職業の中でもそこまで高い部類には入りません。
そんな中「育児にしっかりコミットしよう」と決意された人たちには、それだけで価値があるのではないかと私自身考えています。
関係する児童生徒の皆さんに「男性も当たり前に育児をするものなんだ」という姿を見せ、家庭も仕事も自分自身も大切にする大人の姿を示していきたいですね。
最後になりますが、本書の執筆に携わり本書を提供してくださった江澤隆輔先生、ありがとうございました!
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