これからの時代、教師だけしていていいのかな…。先生は基本副業ダメだろうけど、できることないかな。詳しい人に話を聞いてみたいな。
こういった疑問に魂を込めて答えていきます。
この記事を書いている僕(前田ひろあき)は
- 元公立中学校教諭(当時から兼業)
- 教員の兼業を推進する事業作り
- 小学校非常勤×個人事業主
- 兼業中の教員への取材多数
毎日学校の先生の兼業のことばかり考えてます。
って感じで、先生の兼業を当たり前にしたいマンの僕が実体験・法令・全国の先生へのインタビューをもとに教師の副業について完全解説します。
💡この記事でわかること💡
- 教員の副業・兼業のルール全般
- 教員の副業・兼業の体験談
- 教員のアナタはどんなことから始めたらいいのか
記事を最後まで読んでもらうと、教員の副業や兼業について職場で一番詳しくなります。間違いないです。
そのうえで、あなたの目的にあった副業兼業が何なのかということが掴めます。
さらに最初の一歩として何を始めていけばいいのかもバッチリわかるはずです!
あなたが自分の中の多様性を育てることで、あなたの生徒さんたちにも良い影響が生まれることを願ってやみません。
では早速見ていきましょう!!
結論:教員は正しく仕組みを理解すれば副業できる
結論からいうと、教員はルールを正しく理解すれば副業することが可能です。
公立と私立、正規(常勤)と非常勤でも副業のしやすさは異なりますが、この記事では基本的に公立学校の教員の副業について解説していきます。
とはいえ形態別に何の副業ができて何の副業がしにくいのか手早く掴んでもらいたいので、下記の早見表を用意しました。
あなたの場合何の副業ができるのか、まずは早見表でご確認ください。
ちなみに便宜上副業と表現していますが、教員の場合は正式には兼業という言葉を使います。まぁ基本的に一緒の意味です。
業種別、教員ができる副業早見表
公立学校のフルタイム教員は兼業のハードルが高いことが一目瞭然ですね。
私立の場合は普通の会社と同じですから、法的に副業を禁止できる根拠はありません。
しかしこれも会社と一緒でその私立学校で独自の労務規定が存在する場合があります。
その意味で私学教員も△が多くなっているわけです。
公立も私立も、非常勤はある程度兼業を想定して雇われているので、どちらも兼業へのハードルはそこまで高くありません。
とはいえ公立の非常勤に関しては少し注意すべき点も。一応公務員だからですね。
ここからは公立の正規&常勤と非常勤の副業ルールについて解説していきます。
学而出版より「先生が複業について知りたくなったら読む本」を出版し、好評発売中です。
先生が複業をすべき理由、実践されている事例、制度と申請方法、これからの教員の複業について、調査研究結果の全てを盛り込みました。
これからの教員としての働き方やキャリアに関心のある方にぜひ読んでいただきたいです。
公立教員の兼業・副業ルールの基本
まずは公立の正規と常勤の兼業ルールを解説します。
公立学校でフルタイムで勤務する教員には地方公務員法が適用されます。
公立教員の兼業を制限する法律
- 営利企業への従事、営利を目的とした私企業の禁止
- 信用失墜行為の禁止
- 守秘義務
- 職務専念の義務
地方公務員である学校の先生には上記の法律が適用されます。
詳細が知りたい場合は「公務員の副業の決まりと兼業するための具体的戦略」の記事をどうぞ。
なんせ公務員全般は上記の決まりによって兼業が制限されているわけです。
しかし教育公務員だけには例外的な法律があります。
第17条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第37条第1項に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会。第23条第2項及び第24条第2項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
教育公務員特例法
つまり教育に関係している兼業であれば許可アリでできるということです。
教師が許可を受けなくてもできる副業
- 不動産、売電(一定規模以下は許可不要)
- 農業や寺社などの家業の手伝い(無償の場合)
- 投資関連(株式・FX・仮想通過など)
- 不用品の売却(自動車の下取り・メルカリ)
このあたりは基本的に公務員と同じです。
不動産の一定規模とは5棟10室未満。売電収入は10kw未満ですね。
投資やら不用品の売却やらには制限はありません。
あとは自宅マンションが値上がりし、それを売却するといった利益の得方も一つの作戦ではあります。
実は我が家も有難いことに値上がりしまして、「公務員・教員のマンション購入はアリ?」の記事でまとめています。
しっかり勉強して狙い撃ちして買って値上がり、というのもある意味副業と言えるかもしれません。
【2022年8月更新】
総務省によると、その他「単発の講演」や「消防団の活動」に関しても許可不要だそうです。
教師が許可を受ければできる副業
- 執筆、講演
- 公益性の高い事業(NPOの活動など)
- 教育に関係する兼業
上記の兼業は公務員の中で最も一般的なものですね。
教育公務員のみ教育に関する兼業が認められています。
指導方法とかを出版している先生がいますがあれはこういったことが根拠になっているわけですね。
実際に出版をしている先生にどんな流れで本を出すことになったのか聞いてみたので出版などをしてみたい方は以下の記事をどうぞ。
教師ができない副業
- アルバイトなど
- 無許可の営利企業経営
- その他、利益の上がる行為
- ネットワークビジネス など
上記に関しては許可を得ようとしても許可されないと考えられます。
何の脈絡もなく「パチンコ屋のバイトしたいです。」と申請しても許可は下りないでしょう。
その兼業をすることによって社会的意義や本業に活かせる何かがある方が、許可は下りやすいです。
公立学校の非常勤講師、副業ルール
では公立学校の非常勤講師はどうでしょうか。
結論から言うと非常勤は兼業しやすいです。
非常勤講師は「パートタイム会計年度任用職員」という業種に当たりますが、この人たちは公務員法にある「営利企業の従事の制限」が適用されません。
つまりお金もらって他の職を兼ねてOKということです。
ただしその他の公務員法が適用されることと、労働基準法の労働時間通算ルールというものが少し兼業の邪魔をしてくる可能性があります。
その影響で兼業の申請を求める自治体もあるようです。
詳しく知りたい人は↓の記事をどうぞ(*’▽’)
正々堂々と兼業をしている教師たち(実例紹介)
お待たせしました!ここからは兼業教員オールスターズをご紹介します!!
「現役で兼業している教員がいるらしい!」というのを聞きつけ、僕が取材しまくった日本全国の兼業公立教員の皆さんをご紹介します。
色んなパターンの人がいるのでご自身のイメージに近い人のやり方を参考にしてみてくださいね。
現役中学校英語教諭、江澤先生
江澤先生は福井で中学校の先生をしておられます。
兼業の内容は主に農業や不動産などの家業と出版や講演などの教育系の発信活動です。
著書も多数ありながら家業もしつつ中学校教員もされているという怪獣のような人だと思っています。
過去に当サイトでも紹介させていただきました。
以下のリンクから記事や動画でインタビューの内容を見ることができます。
現役教員が兼業するうえで何をすべきかをお話しいただいています。
1年目で起業しちゃった小泉先生
小学校教諭の小泉先生はなんと1年目で一般社団法人をしちゃった猛者です。
小学校の先生をしながら教員と外部を繋いだり若手の教員を支援する活動をされています。
一般に本を書いたり講演をしたりというパターンが多い教員の兼業ですが、起業から始めるというのが驚きです。
しかしなぜ社団法人を設立したのかという理由をお伺いしたところ、確かに小泉さんたちの目的にはそれが一番適切だと納得できました。
社会的意義のある活動で兼業をしてみたい人は小泉さんの例を参考にすることをおススメします。
小泉さんのインタビューが気になる方は以下のリンクからどうぞ。
カナダで高校教諭になっちゃった梅木先生
もうぶっ飛びすぎて海外で高校教員になっちゃった梅木先生は超絶ホワイトな環境で教師をしながら様々な活動をされています。
待遇が日本よりも良く、さらに兼業を禁ずる発想そのものがないというカナダBC州の学校で数学の先生をされています。
余白の時間を活かして家庭教師の仕事をしたり、大学院で学んだり、発信活動を行ったりと精力的に活動されています。
海外で学校の先生になることに興味のある人は梅木さんのインタビューを参考にしてみましょう。
けっこうきちんと攻略法があるみたいです。
シン公務員では今後も兼業をされている先生方にどんどんインタビューをしていきます^^
色んなパターンを一緒に勉強していきましょう。
小学校で非常勤講師をしながら個人事業で好きなことをする前田先生
あ、僕のことです(笑)
中学校で正規の教員をやっていたのですが、「パラレルワークしてそれを教育に還元する」をやってみたくなって退職しました!
- 小学校非常勤講師
- FTコンサルティング代表(個人事業)
- 複合メディア「シン・公務員」運営
- 教員・公務員の兼業促進コミュニティ「シン・公務員」運営
- ちょっと釣りYoutuber
こんな感じで生きています。
兼業して教育に還元していくという第一目標は達成できたので、今度はそれを色んな人に広めるフェーズに入っていきます。
開業してリアルにどんな感じなのかは↓の記事をどうぞ^^
趣味をかねてこんな動画もやってます
教師の副業の選び方
学校の先生が正式に認められる副業はかなり多様です。
また、お金が直接的かつすぐに発生しないことであっても、立派に副業だと言っていいです。
蓄財が目的の人であれば金銭が成果の目安になるでしょうが、自己研鑽や教育への還元が目的なのであれば成果の目安はお金以外であってもいいハズ。
フォロワー数でも良いですし再生回数でもいい、相談を受けた数でもいいでしょう。
色々手を出してしまった僕から言えるアドバイスは、「自分の目的に沿ってまずは一つをコッテリやってみよう」ということです。
上の画像を拡大し、自分にあった副業のカテゴリを選んでみてください^^
自分が興味を持てるかどうかも継続するうえですごく大事!
上のフローチャートで自分にあった副業を見つけられたらあとは行動あるのみ^^
不動産をやってみたいならそういった書籍を無理のない範囲で読んでみましょう。
SNS運用をしてみようかと思うのであればまずはアカウントを作るところから。
僕が実際に試してみた副業兼業もたくさんあるので、アナタの選んだカテゴリと共通するものがあれば参考にしてみてください。↓
動画でも解説しています↓↓
教師も兼業が当たり前の世界に!
この記事では、教員の副業・兼業のルール全般と実例をご紹介し、今後はじめる先生が何をしていけばいいのかということを解説してきました。
僕はマジで全ての先生が兼業していけばいいと思っています。
「学校の先生は社会を知らない」とかよく言われますけど、じゃあ兼業しちゃうもんねー!でいいんじゃないでしょうか。
僕は様々なことにチャレンジしてみて、世の中のことが前より少しわかるようになりました。
目の前の子たちがどんな世界に出ていくのか、社会の構造はなぜこうなっているのか、そういったことが兼業することで掴めるようになるのです。
教員をしているだけでは得られない経験をし、それを教育に還元していくことは必ず社会に前向きな影響を与えられると信じています。
この記事に出会ったことで、少しでも多くの先生が兼業にチャレンジしてくれるきっかけになったとしたら嬉しいです。
最後まで読んでくださった先生に一つ宣伝なのですが、学校の先生の兼業を促進していくオンラインコミュニティを運営しています。
どんなことをしているか、コチラのページにまとめているので読んでみていただけると嬉しいです。教員が当たり前に兼業する社会にするために、仲間を求めています!!
以下はこのサイトのチャンネルと僕のTwitterです。
フォローしていただけると、教員の兼業・副業を当たり前にする活動の追い風位になります。
ぜひとも!
なんだかんだ書いてきましたが、まずは先生自身が余白を作ることからです。
ですから、明日も全力で早く帰ってください。
応援しています!
デュワ!!
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