教師のセカンドキャリア

【元教師が告白】教員の転職が難しいと感じた最大の理由【失敗談】

転職気になる教師

教員からの転職って難しいっぽいな。

結局何が一番難しいのかな?

実際転職活動するかどうか、先に知ってから決めたいなぁ。

こういった疑問に答えます。

この記事の内容

  • 教師の転職を難しくしている最大の理由を紹介
  • その対策を解説
  • それでも転職活動はしてみる価値あり

この記事を書いているマサムネは公立中学教諭だったころに転職活動に真剣に取り組み合計100社近くエントリーしました。

活動の途中に「あ、自分はそもそも雇われたくないっぽいな」と気づいて転職はやめましたが、かなり真剣に活動したので難しいポイントは相当実感として持っています。



この記事を最後まで見ると教員の転職活動の難しさがわかったうえで、さしあたって転職活動をしてみたくなるはずです。

読み終えてから転職活動やりたくなっているかどうか確認してみてください。

動画でこの記事の詳細を聞き流したい方はコチラをどうぞ↓↓


教員の転職が難しい最大の理由:希望年収

意外かもしれませんが希望年収が一番のボトルネックでした。

両学長というyoutuberさんの動画で「自分を安売りしてはいけない」「年収を下げる転職はしないようにしよう」みたいな話がありましたが、これ教員にはあてはまりません。

理由は教員経験しかない人からするとほぼすべての仕事が未経験職種だからです。

個人的に色々な特技やスキルがあってもあまり関係なくて、結局は職務経歴書に書かれる内容がほぼすべてなわけです。

企業からすると「前職の年収がやたら高い未経験の人材。何ができるかは不明瞭。」みたいな状態なので教員をとる旨味がないんですよね。

希望年収を低くするのは精神的にキツい

想定年収は求人票にあるわけですが、希望年収に関しては自己申告です。

人間誰しも生活水準を下げることには抵抗があるものです。

例えば「想定年収400万円~600万円」と求人に書かれた企業があったとしたら、

マサムネ

600万円ほしいっす。

と言いたくなるのが人情じゃないですか。

だって今までそれくらいもらってたんだもの。

文章で読んでたら実感ないでしょ?僕もそうでした。

でもね、いざ自分で自分の年収を低く言おうとしてもなかなか言えないんですよね。

転職時の希望で自分の年収が200万円下がると思うと、安売りしたくなくなるんですよ。。。

自分の安売りなのか問題

ただよく考えると安売りなわけでもないんですね。

企業からしたらただの未経験な人材をとるわけで、、、

0から育てないといけない(とみなされている)からコストがかかるわけです。

教員がどんな仕事しているか世間の皆さんはわかりません。

ってことは第二新卒と言われる人たちと同じくらいで雇いたいかそれには及ばないくらいかもしれないと思っておいた方が良いかもです。

そのくせ給料の水準は民間に比べて高め。


心理的抵抗の外し方

希望年収を低くするときの心理的ブロックの外し方は以下の3つがオススメ。

希望年収、心理ブロックの外し方
  • そもそも不利なゲームに参加している
  • この次の転職では年収がアップするかもしれない
  • 早めの損切だと割り切る

不利なゲームに参加している

「転職活動ゲーム」における教員のステータスはクソ不利だと考えるとわかりやすいかもです。

これが「マイホーム購入ゲーム」だったらクソ有利です。

でもこれは「転職活動ゲーム」なんだなと、ある程度の諦めを受け入れるのが大事です。

このゲームをするには不向きな職業についてしまっていて、時間をもう戻すことはできないので悔しくても切り替えて攻略法を考えるしかありません。

この次の転職では年収がアップするかもしれない

次に入った業界でITスキルなど汎用性が高く高年収を狙える職に就けば、その次の転職で年収アップする可能性は残ります。

年収は「業界×職種」で決まります。

1回目の転職は2回目を見据えたきっかけ作りという位置づけでもいいかもしれません。

例えば「ITベンチャー企業が教育現場へICTを導入するための講師を募集」というような求人があったとしたらチャンスです。

「講師」という職種に応募しているものの「IT関連企業」という業界に足を踏み入れることができるわけです。

多少年収が下がってしまっても、その企業で成果を上げられれば次のキャリアでは年収アップを目指せるかもしれません。

転職を重ねて年収アップさせる考え方についてはコチラの書籍の「軸ずらし転職」という考え方が参考になります↓↓

早めの損切りだと割り切る

我々の状況を投資で考えると、人的資本を教員という潰しがきかない業界につっこんでしてしまった状態といえます。

一生続けるならある程度良い投資先のようにも感じますが、果たしてそれも正しいかどうかは怪しいです。

何にせよ株式投資などでいうところの「早めの損切り」だとと割り切って、低めの希望年収をいったん受け入れるという考え方が健全です。

希望年収を伝える際の失敗体験

マサムネ

「希望としては550万円くらいは、、、と考えていますが、

入社できないくらいなら400万円でも全く問題ありません。」

なんかもっさりした発言ですよね。

想定年収400万円~600万円の企業の面接で実際に言っちゃいました。

向こうからしたら「いや、結局何?」みたいな感じです。言った瞬間担当者の表情が曇りました(笑)

自分のスキルと照らし合わせたうえで採用担当者が納得しそうな年収を見極める必要があります。

400万円を受け入れられるなら「希望年収は400万円です。」と言い切った方が良いです。

「多くの面で未経験ではありますが、教員として培ってきた問題解決能力で御社に貢献できると確信しています。」とか根拠も添えられれば尚いいですね。

僕の言い方はというと最悪で、その時は控えめなつもりだったけど結局前職の給料に引っ張られた中途半端な伝え方になりました。

転職そのものをしなかったことに後悔はないのですが、ただただ恥ずかしいです。

それでも転職はできる

100社近く受けて面接にも何度も臨んだ僕の肌感覚として、それでもなんだかんだで40歳くらいまでなら民間企業への転職はできそうです。

年収ダウンとかは織り込むとして、業界にこだわりがなければ何かしらはあります。

未経験で採用されやすいのは保険や不動産の営業です。

教育業界だとさらにハードルは下がります。

個人事業主になる道も

転職活動の際は自分の価値観をしっかり確認する必要があります。

いわゆる自己理解ですね。

そのときに「自分は民間とか公務員とかに関わらず、一旦雇われずに仕事したいんだな」と気づくかもしれません。

そうなれば個人事業主の道もアリです。

僕は転職活動を通してそのことに気付けたので方向転換しました。

授業そのものがイヤでないなら個人事業主×非常勤もアリです。

3年くらいやってみて芽が出なかったらそれこそ企業受けてもいいし教員に戻ってもいいわけですから。

自己理解に関する書籍はこちらがお勧めです。

コチラの本はKindle Unlimitedの無料体験で全部読めます。

この本はメモの本かと思いきやめちゃくちゃ自己理解の本でした。

メモの魔力もAmazonのオーディオブック、Audibleの体験版でフルで聴けます


転職活動そのものはオススメできる

ちょっと辛いし難しいけど転職活動はやった方がいいです。

理由は投資に対してのリターンが大きいからです。

転職活動で減るもの

  • 時間
  • ちょっとメンタル

転職活動で得るもの

  • 自己理解
  • 対話力
  • 営業力
  • 文章力
  • 教員の仕事への再認識
  • うまくいけばよい仕事

「必ずいい会社に転職する」はけっこう難しいけど、活動そのものが自分を磨くきっかけになるから普通にやるべきですね。

社会勉強にもなるし自己研鑽にもなります。

やってみて教員ていい仕事だなと気づけるかもしれませんし。

僕が今正規の教員だったらゲーム感覚でやってると思います。

「基本全部勉強になる。うまく内定貰えたらそれから考えよう。」くらいで全然いいですよ。


「このままあと30年教師続けていいのか…」と感じていて、今を変えたいなら勇気を出してやってみてください。

うまくいかなくても経験が残るだけですから。

何にせよマジでめちゃくちゃ応援してます。

僕は初めて卒業まで担当して送り出した学年の生徒たちに今のままの自分で再会したくなかったから動きました。

どう転んでも絶対何とかなります。

最後に僕が実際に利用して「教員向きだな」と思ったサービスの記事を貼っておきます。参考まで。

教員が持続的ないい仕事になることを願って。

ではまた。

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前田ひろあき
教員の複業について日本で一番詳しい者です。 学校の内外を往還する先生を研究実践するNPO「越境先生」代表。 教育系複業家。 現職:任意NPO代表&SchoolTech企業社員&個人事業主/ 過去の職業:複業&小学校非常勤←中学理科教諭←教育大←吉本新喜劇 |